東京キャットガーディアンの飼育実態①(トップを走る譲渡数の裏に隠された大量死と繰り返される悲劇)

過去の大量死に学ばない団体の現状
—606頭の猫の多くが感染症で苦しみ300頭以上が死亡。275頭の乳飲み子は80%以上が死亡し49頭しか生き残らなかった

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 ●トップを走る譲渡数の裏に隠された死
—過剰収容と人員不足が招く環境悪化

山本代表は、HPのトップページに「総譲渡数●●頭突破」と記載するなど、猫を数多く助けたことを大々的にアピールしています。 

【資料画像】東京キャットガーディアン公式HPより

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里親さんの家庭に貰われて幸せになった猫たちが多数いるのは事実です。

しかし一方で、山本代表の独断による従業員解雇やスタッフの人数・能力を凌駕する頭数の収容により、飼育環境の劣悪化、ひいては猫が命を落とすなどの悪循環が生まれています。
※人員の変動について→*1

 
子猫のほとんどは最初に「大塚第一シェルター
(以下「第一シェルター」と称す)に収容されますが、東京キャットガーディアンでは春の出産シーズンになると、その時点でのスタッフの数・経験値に関係なく、過去から現在まで子猫の過剰収容が常態化しています。

<第一シェルターとは>
豊島区大塚にあり、猫がまず収容される非公開のシェルターです。
※各フロアの大きさ、収容頭数など詳細について→*2

【資料動画】第一シェルター(2階)

※第一シェルター以外の各シェルターについては「【参考資料】東京キャットガーディアンの施設概要」を参照

 ●過剰収容による大量死
感染症が蔓延しても収容を続ける山本代表

2012年3月から5月の3か月間で、団体は606頭の猫(うち275頭が4週齢未満でワクチンの打てない月齢の子猫)を新規で受け入れて収容。

猫は過密状態、手のかかる乳飲み子たちの世話はスタッフたちが不眠不休でケアをしても人手が足りず、感染すると嘔吐・下痢・血便を引き起こし、脱水症状などで衰弱、死に至る可能性が非常に高いパルボウィルス感染症が蔓延し、猫は次々と死亡※詳しくは東京キャットガーディアンHPに記載があります。

その期間に収容した606頭の猫の多くは感染症に苦しみ、300頭以上が死亡275頭の乳飲み子に至っては、死亡率は80%を超え生き残ったのは49頭のみ

生き残った猫のほとんどはシェルターではなく、預かりボランティア宅で世話されていた子たちでした。 

しかし、このような状況下においても、山本代表は収容を止めることなく継続させています。 

またこの当時から団体では、多いときで月に100頭以上の「死亡数の改ざん」が行われており、実際の数値とHPの公表は虚偽のものが発表されています。*3

 このような悲劇を二度と繰り返さないために、当時のスタッフが「改善策」と「乳飲み子の死亡率の高さ」をデータで提出

今後決して大量死を招かないため、ワクチンの打てない乳飲み子などは預かりボランティアさんに託すなど、大塚第一シェルターへの収容の制限を行う対策が取られることになりました。 

 ●繰り返される悲劇
「パルボは出るものだから我慢して」

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そして大量死から6年後の2018年春。

他のボランティア団体が「乳飲み子部屋」を作り話題になったことを知った山本代表が「うちには第一シェルターがある」と、感染症対策のため預かりボランティアさんに散らしていた乳飲み子を、再び第一シェルターに入れ始めました。

飼育スタッフは「人員不足」と「乳飲み子の飼育経験・知識が不十分」という理由から収容を反対しますが、山本代表は聞き入れず「パルボは出るものだから我慢して」と収容を断行。

その結果パルボは2回発生しました。 

 ●サウナのような隔離室に入れられる子猫たち
―「夏場は熱中症に気を付けて」の矛盾

東京キャットガーディアンでは、パルボウィルス感染が確認された場合、拡大抑止のため感染猫を第一シェルターの洗面所に隔離、感染防止のためドアを完全に閉めきります。

洗面所には窓がありますがクーラーが無いため、夏場の室温管理が十分にできるとは言い難く、猛暑となった2018年の夏にパルボが発生した際、スタッフの計測で室温30度、湿度60%を超えていることを確認しています。

東京キャットガーディアンの公式HPでは、室温管理について「子猫のうちは室温は27度くらいが理想的」「夏場は熱中症に十分気を付けて下さい。30度を超えると猫は熱中症になります。」などの記述*4がありますが、団体内部での管理体制は徹底されておらず、各スタッフの飼育スキルや経験則に委ねられています。

 ●譲渡数へのこだわりが産む悲劇は続く
ー隠されたパルボ発生の事実・無責任な発言

2018年夏。
パルボが発生している中、
山本代表はその事実を伏せ、民間の保護ボランティアさんへ「どんどん連れてきて」と話し、第一シェルターにさらに子猫を受け入れようとしました。
 
山本代表自身、Twitterなどでパルボの危険性について発言しており、その危険性は充分認識しているはずです。

【資料画像】山本代表のTwitterより

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しかし現在も、感染症に配慮しない乳飲み子の収容は続けられています。

それによって死亡した猫の遺体は冷凍・遺棄されたという事実もあります。※詳しくは「東京キャットガーディアンで死亡した猫たちの悲しい末路」に記載

パルボが発生したら可及的速やかに、「新規の収容を一旦止め、発症した猫を隔離、飼育を担当する人手を分ける」ことが望まれます。
不特定多数の猫を収容する保護団体においてパルボへの危機意識の低さ、対策の杜撰さは猫の死亡リスクを高めることになるのです。


2018年に乳飲み子の死亡を伝えたスタッフは、山本代表から「また死んだの?」と言われ、別のスタッフは、「代表が乳飲み子の世話をしているのはおかしい。来年から私やらないから」と告げられました。

このような発言からは、パルボ感染をはじめ、乳飲み子を受け入れることの危機意識の低さが伺えます。

過去に起きたことを風化させず、対策を講じてほしいと切に願っています。 

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*記事内の脚注*

*1:

≪人手不足の問題≫

東京キャットガーディアンでは、過重労働と山本代表によるパワハラ長く勤務するスタッフは少なく、続ける意志のあるスタッフも理不尽な理由で突然退職させられるケースがあり、引き継ぎが不十分な状態でスタッフが次々と入れ替わっています。

その結果、慢性的な人手不足や経験の浅いスタッフ、適性のないスタッフでも対応せざるを得ない状況が続き、猫の健康管理や施設管理に目が行き届かない状態に繋がっています。

【退職者の履歴】

2018年12月までの把握ができた退職者数です。
毎年入社人数の半数近くが退職しており、特に2018年は21名入社したにも関わらず、20名が退職している異常な状態です。

※解雇・自主退職を含む。
※2008年〜2010年まではアルバイトスタッフを含まない人数。

新入職員 退職者 新入獣医師 退職獣医師
2008 0 1  
2009 3 2    
2010 4 2    
2010 2 3 1  
2012 2 3 1 2
2013 6 4    
2014 9 4    
2015 18 10    
2016 12 7    
2017 12 7    
2018 21 20 1 1

2018年9月に附属動物病院獣医師兼そとねこ病院の院長が退職しました。
専属の獣医師が不在、他の病院の獣医師がシェルターの猫のケアや手術を兼任する状態が続いています。(2019年3月調べ)

*2:

≪第一シェルター詳細≫

譲渡対象外の猫を収容する非公開シェルター。
猫はまず第一シェルターに収容されることがほとんどで、譲渡可能な状態になると第二シェルターに移動する。

収容頭数:150〜200頭程度。
一戸建てで、猫が収容できるのは1階〜3階まで。
1階には玄関、トイレ、洗面所と6畳ほどの部屋があり、6畳ほどの部屋は附属動物病院になっている。

1階附属動物病院:主にワクチン未接種の子猫や看護の必要な猫を収容。
(6畳程度…子猫が多いときで40頭前後の収容

1階洗面所:パルボが発生した場合、洗面所に隔離。
(2畳程度。空調設備は無く、感染防止のためドアは閉め切り。冬はヒーター、夏は保冷剤や扇風機で室温管理)

2階:主にワクチン接種後の子猫を収容
(8畳程度、キッチン有…衣装ケースに入った子猫が多いときで80~100頭

3階:成猫を収容
(2畳程度1部屋…成猫6~10頭 8畳程度1部屋…成猫30~40頭

*3:
 毎年の死亡数の改ざんについては別項を参照

2012年 受け入れ数 譲渡数 死亡数 実際の死亡数
1月 27 66 0 0
2月 27 55 0 0
3月 89 66 10 39
4月 208 57 21 133
5月 191 88 26 66
6月 127 82 16 43
7月 95 55 4 19
8月 58 58 3 5
9月 66 56 0 1
10月 58 44 1 9
11月 39 54 1 13
12月 40 72 2 2
2012年合計 1025 753 84 330
実際の死亡数との差異 246

*4:

子猫のうちは室温は27度くらいが理想的です。
冬場はエアコンによる温度管理の他、電気アンカやホットカーペット※などを使用し、暖かい寝場所などを用意してあげるとよいでしょう。
※設定温度が高いホットカーペットは、長時間使用すると低温やけどをすることがあるため注意が必要です。

夏場は熱中症に十分気を付けて下さい。30度を超えると猫は熱中症になります。
しかし冷房にも注意が必要です。人間が丁度良いと思う温度は猫にとっては寒すぎます。
エアコンの設定温度を高めにし、猫ベット等に毛布などを入れると良いでしょう。
どの季節も、寒くなり過ぎたり暑くなり過ぎた時の逃げ場がある様にして下さい。

猫との暮らしについてよくある質問 - NPO法人東京キャットガーディアンより