東京キャットガーディアンの飼育実態②(カプセルホテルのようなケージに閉じ込められ、虫と寝起きをする猫たち)

■知られざる第一シェルターの実態
―限られたスタッフのみ出入りが許される非公開シェルター

【資料画像】2017年8月の第一シェルター。狭いケージに2頭入っていたり、1kgを超える遊び盛りの子猫たちが収容されている。

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 ●カプセルホテルのようなケージ(2階)
―遊び盛りの子猫が1日のほとんどを狭いケージ内で過ごす

非公開の大塚第一シェルターでは、上の写真のように子猫の多くは衣装ケースを改造したケージに収容されます。

本来改造ケージは、公開型シェルターに移動するまでの期間を過ごす体重500g前後までの子猫に使用しますが、過度な収容により公開型シェルターのケージに空きが出ない場合、体重1kgを超えた猫たちが写真のように立ち座りすら満足にできず、身をかがめながら狭いケージで長期間過ごすことになります。

【資料画像】身動きの取れない猫たち

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スタッフが収容を制限しようとしても、山本代表が「猫が殺処分されてもいいのか」と次々と受け入れを行い、ピーク時には遊び盛りの子猫が1日のほとんどを狭いケージ内で過ごす事態になっています。
※のちの調査により、団体が無理な収容を行わなくても引き出すセンターで殺処分になる猫はいなかったことを確認。関連記事はこちら

過密収容で感染症が蔓延しやすい環境に加え、猫のストレスが溜まり免疫力低下、体調を崩しやすくなる悪循環に陥っています。*1

 ●虫と寝起きする猫たち(3階)
「蜘蛛は猫のともだち」(飼育スタッフ)

譲渡対象ではない猫たちも収容される第一シェルターでは、『ねこのゆめ』や多頭飼育崩壊による収容が増え、譲渡の見込みが低い成猫*2が長期滞在するケースが増加しています。

3階は8畳ほどのスペースに積み重ねたケージ内で50頭近い成猫が収容されていますが、慢性的な人手不足で掃除が行き届いているとは言えません。

 【資料動画】第一シェルター3階



第一シェルター(3階)

ケージの下や裏側・溝には、カビ・埃・腐敗した飼料が溜まり、ケージ内には蜘蛛の巣が張られ、ケージ内外問わず大量に虫が湧いています。

換気も十分ではなく施設内は鼻につく刺激臭(主に消毒液、糞尿や餌または腐敗した臭い)が充満、建物外にまで臭いが広がっています。

【資料画像】第一シェルター成猫用のケージ

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 ●猫の体調を管理できない環境(3階)
「3階は多頭飼育崩壊しているようなものだから」

2018年頃、あまりの環境を見かねたスタッフが環境の改善を山本代表へ申し出ましたが、「無理、3階は多頭飼育崩壊してるようなものだから」と言われ却下されました。

環境が劣悪な上、スタッフが多忙で1頭1頭の猫の体調不良を把握できない、申し送りに不備が出るなど、衛生面以外でも猫の健康を損なう結果に繋がっています。
この状況で、
「正直3階はちゃんと見れてない」と発言するスタッフもいました。

実際に、ケージから出ている時に他の猫に尻尾の数か所を齧られたシニア猫がいましたが、食欲が落ち、毛が禿げてきてから尻尾のあちこちが膿んでいたことにスタッフが気付き、その4日後に死亡しています。

また、齧った猫は「ケージから出すと戻すのに時間がかかる」という理由で、2017年末に収容されて以来一度しかケージから出してもらっていない猫でした。(※当該猫については「東京キャットガーディアンについてお伝えしたい事実(更新型)」で後日掲載予定です)

【資料画像】尻尾の膿に気付かれず、発見4日後に死亡した猫。死後は譲渡したと発表された

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このシェルターで一生を過ごすかもしれない猫たちの為にも、環境の改善は急務と言えます。

 ●内部告発を恐れ人員を制限する第一シェルター
「危うく内部告発になるところだった」

第一シェルターに配属する人員については慎重で、シフト管理をしているスタッフに「あの人は大丈夫か?」と内部告発の恐れがないかを確認す山本代表。

人手が足りず公開型シェルターから配属されてきたスタッフが、あまりの環境のひどさに「あれは虐待です!」と取り乱したことがありました。

その後、このスタッフが山本代表に環境改善を訴えに行くと、「どこから虐待かは人によって違うからね」と言われたとのこと。
またこの件に関わった別のスタッフも「どこから虐待かは人によって違うし、あれだけでも保健所にかけこむ人もいるから」と山本代表から言われています。

後日シフト管理をするスタッフへは、山本代表から「あの人は第一シェルターのシフトから外して。危うく内部告発になるところだった」との指示がありました。 

 

■公開型シェルターでの猫へのストレスの無配慮
「寄付金が入るのに何で制限するんだ」

2018年10月7日、民法テレビへの出演が反響を呼び、公開型の第二シェルターが入場者で混み合いました。 

公開型シェルターは猫の安全・快適性を確保するために、シェルター内での注意事項を案内した上で入場するシステムになっています。 

この日は、いくつかある猫部屋はどこも人で溢れかえり、訪れた方々からも「窮屈、猫が見れない」と声があがるほどで、あまりの来客の多さに猫が怯え、普段は人懐っこい猫たちも部屋の隅やケージとケージの間に入り震えていました。 

その様子を目にしたアルバイトスタッフが「猫がストレスを感じている」と見かねて、猫の安全確保のために常勤スタッフの許可を得て入場規制を掛けましたが、それを聞きつけた山本代表が「寄付金が入るのに何で制限するんだ」とアルバイトに激怒しました。

【資料画像】猫たちの普段の様子

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■ずさんな管理が猫の命を脅かす立川シェルター
「ずっとケージの中に入れておくか、ずっとフロアに出しているか」

立川シェルターは、住み込みのスタッフ(他シェルター兼任)一名が管理する非公開のシェルターで、成猫のみ収容。

立川スタッフは朝と夜の飼育をこの施設で行い、合間の時間に他シェルターで稼働する。各シェルターについてはこちら

tokyocatguardian.org

 ●誤飲の危険性や猫のストレスに配慮しない山本代表
「出しっぱなしにして本当に誤飲するかを試したい」(飼育スタッフ)

立川シェルターには、ケージから出しておくと壁の引っかき防止シートを取り付けているテープやタッカー(建築用のホチキス)の針を取り外し、誤飲してしまう猫が数頭在籍しています。

獣医から「誤飲は腸閉塞などを引き起こし命を落とす危険がある。誤飲猫たちをケージから出しておく際は必ずスタッフが監視するように。*3との指示が出たため、誤飲する猫たちはスタッフたちがいる時間のみケージから出すようにしていました。

その後、住み込みのスタッフが代わり、しばらくして山本代表からそのスタッフへ「監視業務に対しては給料は出せない。誤飲する猫はずっとケージに入れておくか、ずっと出しておくかのどっちかにして」と新たな指示が出されます。

 

指示を受けたスタッフは山本代表からの指示の「ずっと出しておく」を選択。結果、監視なしでケージの外に出ていた猫は大量のテープを誤飲しました。

【資料画像】誤飲する猫が吐いたテープ

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「誤飲で命を落とすリスクがあることを考えなかったのか」と他スタッフから問われた住み込みのスタッフは「誤飲するところを自分は見たわけではないので、本当に誤飲するかどうかを試したかった」と発言しています。 

●猛暑の中、エアコンなしの室内に取り残される猫たち
—問題視されるずさんな温度管理

立川シェルターではスタッフの体感に頼る温度管理がボランティアの間で問題視されていました。

2018年の夏は、連日猛暑日(最高気温35度以上)となっていたにもかかわらず、スタッフがエアコンを稼働せずに別シェルターに出勤。冷房のない状態の室内に猫が取り残されました。


取り残されたうちの高齢猫一頭が呼吸困難に陥り、酸素室での治療を行っています。

【資料画像】立川シェルターのケージ。「飼育のクオリティは第一シェルターに合わせる」とスタッフが発言。前述した第一シェルターの環境を想起させる。

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*記事内の脚注*

*1:子猫たちは交代でケージから出し広めの場所で遊ばせる事になっていましたが、過密収容により遊ぶスペースもなく、人手も時間も足りない状況からスタッフも手一杯になり、ケアも最低限の状態となっています

*2:高齢、エイズキャリア・その他病気、凶暴、人に慣れていないなど

*3:猫が異物誤飲した場合、気道を圧迫する呼吸困難、腸閉塞による壊死を起こすなど、命に関わることがあり大変危険です。

異物誤飲 | ネコちゃんの病気(50音で調べる) | どうぶつ親子手帳(アニコム損害保険株式会社HPより引用