東京キャットガーディアンの運営する『ねこのゆめ』の実態
■『ねこのゆめ』の実態
「ねこの所有者はわたし」
NPO法人東京キャットガーディアンでは、『ねこのゆめ』という有償での成猫の引き取りを行っています。
【資料画像】『ねこのゆめ』で収容された猫
●所有権を持つ者がすべて
—『ねこのゆめ』で「所有権の移転」を約束する意味
『ねこのゆめ』の契約書には、現在の飼い主から団体へ猫の「所有権の移転」という項目があり、契約したあとの猫は団体の所有物になります。
【資料画像】『ねこのゆめ』の契約書では所有権の移転をもとめられる
預けた後は「新しい環境に慣れようとして頑張る猫のストレスになる」という理由で、面会をはじめ一切の関わりを絶たれ、預けた後の猫の処遇はまったくわからなくなります。
「『ねこのゆめ』開始のきっかけになった出来事」に登場し、家とお金を託しこの事業を後押しした方(梅田誠さん)が預けていた猫は、その後、高齢と病気のため獣医師より絶対安静との指示がでていたのにも関わらず、代表の指示により立川シェルターから大塚第一シェルターまでの移動を強行され、その二日後に死亡しました。
【資料画像】移動を強行され死亡した梅田さんから託された猫
【資料画像】2018年3月ごろの写真。シニア猫に寄り添う猫たち。この頃は歩くのもままならかったが、住み慣れた環境で自由に眠っていた。 この2か月後、シェルターを移動し2日目に命を落とした。
●「猫の所有者はわたしだから」
猫の飼育環境の改善を求めるスタッフ数名に対する山本代表の発言です。
猫の環境を良くしたいと誰かが声をあげても所有権の前には無力で、猫の生死さえも所有者の一声で決まるのです。
●『ねこのゆめ』の“ホスピス”は存在するのか
—ホスピスとして利用できる場所はあるけれど…
東京キャットガーディアンのHPには
再譲渡が難しい高齢猫や、エイズキャリなどの猫の場合、東京キャットガーディアンが終生飼育をお約束します。各地のシェルターとは別に、猫のホスピスとして利用できる場所をご用意しています。
との記述があります。
【資料画像】東京キャットガーディアン公式HPより
以前「預ける猫が生活する施設の見学をしたい」と希望された方に対し、代表は比較的新しく劣化の少ない立川シェルターを案内、成約を促したことがありました。(開放型シェルター以外の施設見学は基本断られます)
【資料画像】収容先として案内される立川シェルター(2017年頃の写真。2018年以降、環境悪化の報告が入っているため現在の状況は不明)
しかし『ねこのゆめ』で収容され譲渡対象外とされた猫のうち、立川シェルターで生活している猫は1割もおらず、ほとんどの猫が第一シェルターで生活をしていることを確認しています。
【資料動画】『ねこのゆめ』の実際の収容先(第一シェルターの3階)
第一シェルターでは、子猫の多いシーズンの場合、成猫のケアは後回しにされがちになります。また人員不足により運動や環境整備も不十分です。
医療面でのケアも極めて低水準な内容*1になり、2018年9月以降は専属獣医師が退職していることから、ますます医療面でのケア不足が懸念されます。(2019年6月現在)
わたしたちは前述した内容に加え、過去の記事に書かれた東京キャットガーディアンの各シェルターの状況から、東京キャットガーディアンにホスピスと呼べる水準の施設は存在しないと考えています。
猫の遺体がゴミに混ぜて廃棄されている事実もあり、公開されている『ねこのゆめ』の情報からは想像のつかない待遇となる恐れがあるのです。
●遺産寄贈の意思を公的証書に残すように求める団体
—「ねこのゆめ」検討者が「高齢」かつ「資産家」と判明した場合
「ねこのゆめ」を検討する方が「高齢」かつ「遺産を寄贈する可能性あり」だった場合は、シェルターへ寄贈する意思を公的証書に残すように説明されたことがありました。
しかしながら、過去に遺贈を含めたご支援があった場合でも、引き取った猫の飼育環境が良くなるということはありませんでした。
*記事内の脚注*
*1:低水準といえる理由の一つは、シェルターでは「シェルターメディシン」に基づいた医療を行っていることがあげられます。
シェルターメディシンとは「病気の動物を健康にする」よりも「健康な猫を病気にしない」ということに重点をおいた医療方針です。